「英語を聞き取れるようになりたい、話せるようになりたい——」
そんなふうに思っている人にとって、シャドーイングはとても効果的な学習法のひとつです。
聞こえてきた音をすぐに真似して発音することで、リスニング力だけでなく、発音やリズム、イントネーションまで自然に身につけることができます。
でも、いざ始めようとすると「どんな教材を使えばいいの?」と迷ってしまうことも。
そこでおすすめなのが TED Talks です。TEDは、世界中の専門家や著名人がさまざまなテーマで講演を行うプラットフォーム。無料で質の高い英語スピーチを聞けるだけでなく、スクリプトや字幕も利用できるため、シャドーイングにぴったりです。
この記事では、TEDを使ったシャドーイングの方法とコツを詳しく紹介します!
シャドーイングの効果を具体的に知りたい方はこちらの記事も参考にどうぞ!

TEDとは?
TEDとは、「Technology, Entertainment, Design」の略で、アメリカの非営利団体が運営する国際的な講演イベントです。「広める価値のあるアイデア(Ideas Worth Spreading)」をテーマに、科学、技術、芸術、社会問題など幅広い分野の専門家や著名人が講演を行います。
TEDの中心となるのが、毎年開催される「TEDカンファレンス」。このカンファレンスでは、世界中のスピーカーが短時間のプレゼンテーションを行い、その内容は「TED Talks」として無料で公開されています。その他にも、教育向けの「TEDEd」など、さまざまなプロジェクトが展開されています。
TED talksとTEDEdの違い
TEDは、アイデアを共有することを目的とし、さまざまなプロジェクトを展開しています。その中でも、特に有名なのが TED Talks とTEDEdです。
TED Talks | TEDEd | |
---|---|---|
形式 | 実際の講演者によるライブスピーチ形式 | アニメーションを使用した教育動画形式 |
長さ | 3分〜20分程度 | 基本的に5分前後 |
内容 | 幅広い分野の専門家や著名人による多様なトピックのスピーチ | 教育目的の内容で、科学、歴史、文化、社会問題などを分かりやすく解説 |
対象者 | 主に大人向け | 子供から大人まで幅広い年齢層が楽しめる |
難易度 | 比較的高度な内容も含む | TED Talksに比べてやさしいトピックが多い |

どちらも英語学習におすすめだけど、今回はTED Talksを使ったシャドーイングの方法について解説するよ!
TEDでシャドーイングがおすすめな理由


シャドーイングを続けるには、教材選びがとても大切です。自分のレベルや学習スタイルに合った教材を選ぶことで、効率よくスピーキングやリスニングを伸ばすことができます。
TEDは無料で使え、実際のスピーチをもとに学べる魅力的な教材ですが、シャドーイングに活用するにはメリット・デメリットがあります。
TEDを使うメリット
- 発音やリズムの改善
ネイティブスピーカーの生きた英語を聞きながら、自然な発音やリズムを身につけることができます。 - 無料で使える
TEDは誰でも無料で視聴できるため、コストをかけずに学習を続けられます。 - 多様なトピックと興味深い内容
幅広い分野のスピーチがあり、自分の興味に合ったものを選べるため、学習のモチベーションを保ちやすいです。 - スクリプト・字幕機能の活用
ほとんどの動画に英語・日本語字幕があり、聞き取れなかった部分を確認しながら練習できます。(一部字幕がない動画もあり) - 短時間で取り組める
5~20分程度のスピーチが多いため、集中して取り組みやすく、反復練習にも向いています。
TEDを使うデメリット
- 初心者には難易度が高い
スピーチの内容が専門的だったり、難しい単語が使われていたりすることが多く、初心者にはハードルが高めです。また、話すスピードが速いスピーカーもいるため、最初はついていくのが難しいこともあります。 - スクリプトの準備が手間になる場合があ
一部のスピーチにはスクリプトが用意されていないことがあり、内容を確認するのに時間がかかることがあります。また、日本語字幕がない動画もあるため、内容を理解しにくいこともあります。 - 選択肢が多すぎる
多様なトピックが魅力である反面、どのスピーチを選ぶべきか迷ってしまうことも。シャドーイングに適したスピーチを選ぶには、内容の難易度や話し方を事前に確認するのがおすすめです。
TEDはシャドーイングに適した素材ですが、手間をはぶいてとにかくシャドーイングに集中したい!
そんな方には、シャドテンもおすすめ。シャドテンなら、初心者から上級者までどのレベルにも対応していて、教材の選定やスクリプトの準備をする手間もなく、集中してシャドーイングに取り組める仕組みになっています。
TEDの人気スピーチも多数収録!
スマホ1つで効率的に学習を進めたい方は、シャドテンもチェックしてみてくださいね。



自分にあった教材を使って『継続すること』がとても大切!
ウェブサイトとアプリの違い
TEDは公式ウェブサイトと公式アプリの両方で全ての動画を無料視聴できますが、それぞれに特徴があります。
公式ウェブサイト | 公式アプリ | |
---|---|---|
動画の視聴 | 全て視聴可能 | 全て視聴可能 |
スクリプト表示 | あり(動画と一緒に表示) | なし |
スクリプト機能 | タイムスタンプ ハイライト表示 クリック再生 | なし |
字幕の言語設定 | 英語・日本語の切り替え可能 | 英語・日本語の切り替え可能 |
オフライン視聴 | なし | できる(ダウンロード可能) |
ブックマーク | なし | あり(あとで見返すのに便利!) |
TEDの公式ウェブサイト
公式ウェブサイトはスクリプト機能が充実しているのが大きな特徴です。動画と一緒にスクリプトを表示できるため、聞き取れなかった部分を確認しながらシャドーイングできます。
タイムスタンプ付きスクリプト → 30秒~1分ごとの区切りの目安になるので、練習しやすい!
音声と同期したハイライト → 再生中の部分が赤くなるので、どこを話しているのか一目でわかる!
クリックで再生位置を指定可能 → スクリプトの好きな部分をクリックすれば、その場所から再生できる!
TEDの公式アプリ
公式アプリは動画をダウンロードしてオフライン再生できる のが最大のメリット!通信環境を気にせず学習できるので移動中でも手軽にTEDを活用したい人におすすめです。
動画をダウンロード可能 → 事前に保存しておけば、いつでもどこでもオフラインで視聴OK!
ブックマーク機能 → 気に入った動画を保存して、あとで簡単に見返せる!
言語設定を日本語に変更可能 → アプリの言語設定を日本語にできるので、操作がわかりやすい!
TEDを使ったシャドーイングの方法



私がいつもやっているシャドーイングの流れを解説するよ!
まず自分のレベルにあった動画を選びます。
スクリプトを準備(スクリプトに書き込めると便利なのでプリントアウトしています)。


- 公式ウェブサイトで「Read transcript」を押すと右側にスクリプトが表示される
- コピーしてWordやドキュメントに保存して印刷
- ②のタイムスタンプを見て、だいたい30秒から1分ぐらいで区切る
まずスクリプトは見ないで音声のみを聞き内容やリズムを把握。
ここで聞き取れない箇所も確認しています。
スクリプトを見ながら内容を完全に理解します。
わからない単語やフレーズは辞書で調べて書き込んだり、音声の切れ目にスラッシュを入れたりしています。


スクリプトを見ながら音声と一緒に発声します。
発音や音の繋がり、リズムに注意しながら練習します。
スクリプトを見ずに聞こえてきた音声を1、2語遅れて発声します。
自分の声を録音し、元の音声と比較して発音やリズムを確認します。
- 苦手なところはどこだったか?
- 聞こえなかったところは?
- 苦手なところの音の変化はどうなっていたか?
苦手なところや言えなかったところは、Step4オーバーラッピングに戻って練習します。
どうしても聞こえなかったところは、スピードを変えて聞いてみたり音の変化がどうなっているのか再度確認して練習します。
シャドーイングは1日15分〜30分程度行い、長くても1時間は超えないようにしましょう!
毎日新しい教材を使うのではなく、同じ教材を3日〜5日程度繰り返して内容を定着させましょう!
シャドーイングにおすすめ動画
TEDにはさまざまなジャンルのスピーチがありますが、シャドーイングの教材として選ぶなら、発音がクリアで話すスピードが適切なものが最適 です。



学習しやすくて内容も面白い2つのTEDスピーチを紹介!
“Try Something New for 30 Days”(マット・カッツの30日間チャレンジ)
スピーカー: Matt Cutts
Googleのエンジニアであるマット・カッツが、30日間のチャレンジを通じて人生を変える方法 をユーモアたっぷりに紹介している動画です。
「実現可能なことを、毎日少しずつ続けることが大切」というメッセージは、英語学習にも通じるものがあり、モチベーションのアップに繋がります!見ると何かに挑戦したくなるスピーチ。
短くてシンプルな英語表現が多いので、初心者にもぴったり!
シャドーイング難易度: ★★☆☆☆(初級~中級向け)
- 約3分という短さ で、繰り返し練習しやすい
- 発音がはっきりしていて聞き取りやすい
- シンプルな英語で、日常英会話にも応用できる表現 が学べる
“Grit: The power of passion and perseverance”(成功のカギは、やり抜く力)
スピーカー: Angela Duckworth
心理学者のアンジェラ・ダックワースが、「成功する人に共通するのは才能ではなく、情熱と粘り強さ…やり抜く力(Grit)である」と語るスピーチ。
「努力を続けることの大切さ」が伝わる内容で、平凡な私でもやり抜く力で未来を変えられる!そんなふうに思わせてくれます。Gritの
このスピーチは、英語のリズムや強調の仕方が学べるので、リスニング強化にもおすすめです!
シャドーイング難易度: ★★★☆☆(中級~上級向け)
- 比較的ゆっくり話すが、論理的な展開 なので集中力が必要
- プレゼン調の話し方 で、イントネーションや抑揚のつけ方が学べる
- 単語や表現が少し難しめ なので、語彙力アップにもつながる
アンジェラ・ダックワースは、この「Grit」について書籍も出版しています。
スピーチで気になった人は、本も読んでみると、より理解が深まりますよ!
![]() ![]() | やり抜く力 人生のあらゆる成功を決める「究極の能力」を身につける / 原タイトル:GRIT[本/雑誌] / アンジェラ・ダックワース/著 神崎朗子/訳 価格:1760円 |


TEDでシャドーイングを続けるコツ
シャドーイングは効果が出るまでに時間がかかるもの。
でも、最初のうちは「うまく言えない」「聞き取れない」と挫折しがちです。せっかく始めたシャドーイングを途中でやめてしまわないために、続けやすいポイントを意識しましょう!
完璧を目指さず、まずは口を動かす
最初からスムーズに話せなくても大丈夫!
TEDのスピーチはネイティブ向けに作られているため、聞き取れないのは普通のこと。シャドーイングで大切なのは「とにかく続けること」です。最初から完璧を目指すと挫折しやすく、「思うようにできない…」とモチベーションが下がってしまいます。
最初は「うまく言えなくてもOK!」という気持ちで取り組み、とにかく口を動かして少しずつ慣れていきましょう!
同じスピーチを繰り返して「できる感」を増やす
シャドーイングは同じ教材を3〜5日間かけて繰り返し取り組むことで、少しずつ言える部分が増えてきます。
TEDならスクリプトがあるので、「どこが聞き取れていないか」「どの発音が苦手か」を確認しながら進められるのもポイント。
何度も練習するうちに、聞こえなかった部分がクリアに聞こえるようになり、発音やリズムも自然と身についていきます。昨日よりスムーズに言えた!」という小さな成功体験を積み重ねると、モチベーションアップにつながります!
挫折しにくい長さで区切る
シャドーイングを続けるうえで、スピーチの長さも重要なポイントです。長すぎるものを選ぶと途中で集中力が切れたり、疲れてしまったりするため、1分程度に区切ってから始めるのがおすすめ。
TEDのスピーチなら、3~5分くらいのものも多いので、1分ずつ区切りやすく練習しやすいのでおすすめです。
イヤホンを使って集中しやすい環境を作る
シャドーイングでは、できるだけクリアな音を聞くことが大切です。スピーカーで流すと、周囲の雑音に邪魔されたり、細かい発音の違いが聞き取りにくくなったりすることも…。
静かな環境を確保しにくい人や、移動中に練習したい人にはイヤホンが必須アイテム。集中力も上がるので、より効果的にシャドーイングを続けることができます!
自分が楽しめるスピーチを選ぶ
何よりも大切なのは自分が興味を持てるスピーチを選ぶこと。関心のないテーマだと、どうしても飽きてしまったり、内容が頭に入ってこなかったりするので、最初は「面白そう!」と感じるものを選ぶのがおすすめです!
話すスピードが極端に速すぎないか、難しい専門用語が多すぎないかも確認しながら、自分に合ったスピーチを見つけてみましょう。
楽しみながら続けることで、シャドーイングは確実に効果が出ます。焦らず、一歩ずつ進めていきましょう!
以前、ネットでおすすめされていたスピーチを選んでみたのですが、正直、あまり楽しめませんでした。
研究系の内容で単調に感じてしまいシャドーイングするのが面倒に…。 TEDの自由度の高さは魅力ですが、自分に合ったスピーチを見つけるまでに少し時間がかかることもあります。「なんか違うな」と思ったら、無理せず別のスピーチに切り替えたほうがモチベーションを保てますよ!
まとめ
TEDを活用したシャドーイングは、リスニング力や発音を鍛えるのに最適な方法ですが、続けることが何よりも大切です。最初から完璧を目指さず、少しずつ積み重ねていきましょう。
- シャドーイングの準備:スピーチを選び、スクリプトを用意する
- 音声リスニング:意味を考えずに全体を通して聞く
- 内容理解:スクリプトを確認し、不明な単語や表現をチェック
- オーバーラッピング:スクリプトを見ながら音声と一緒に発話
- シャドーイング:スクリプトなしで音声の少し後を追いながら発話
- 録音してチェック:自分の音声を聞いて改善点を確認
- 2日目以降はStep5とStep6を繰り返す
- 完璧を目指さず、まずは口を動かす
- 同じスピーチを繰り返して「できる感」を増やす
- 挫折しにくい長さで区切る
- イヤホンを使って集中しやすい環境を作る
- 自分が楽しめるスピーチを選ぶ
毎日少しずつ続けることで、英語のリズムや発音が自然に身についていきます。TEDにはモチベーションを高めてくれるスピーチがたくさんあるので、楽しみながらシャドーイングを習慣にしていきましょう!
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