シャドーイングは意味がない?
リスニングを伸ばしたいけど、シャドーイングは本当に効果はあるの?
そんなふうに思っている人は多いはず。
では、1ヶ月間シャドーイングを続けたら、どれくらい変わるのか?
実際に、TEDを使ったシャドーイングを毎日続けてみたので、その結果を詳しく紹介します。
まずは結論から…VersantのGSEスコアは11アップ!
リスニング・スピーキングともにスコアが伸びました!
実際の変化がどんなものだったのか?
初日と1ヶ月後の音声を比較 して、その違いを公開します。
「シャドーイングに興味はあるけど、本当に効果があるのか知りたい…」
そんな方の参考になれば嬉しいです!ぜひ最後まで読んでみてください。
リスニングのメカニズムとシャドーイングの関係について解説したこちらの動画も参考にどうぞ…

シャドーイング開始前の状況
私は大学卒業後、15年以上ネイティブスピーカーと関わる仕事をしてきました。お客様は外国人で英語を使う機会はあったものの、会社の上司や同僚は8割日本人だったので、大半の業務は日本語も使用していました。
独学で英検準1級とTOEIC900点を取得して今の部署に異動したのですが、これまでの勉強はどちらかというと「資格のための勉強」。会話の練習はほとんどしてきませんでした。
日本人がほぼいない部署で、日本語が全く通じないネイティブスピーカー達と仕事をするようになり状況が一変。スピーキングとリスニングの壁に直面しました。
- リスニング:ネイティブ同士の会話が速すぎて聞き取れない。単語やフレーズは部分的にわかるものの、話の内容が大まかにしかわからない。
- スピーキング:頭の中で文を組み立てようとして詰まりがち。とっさに返事ができず、会話のテンポが悪くなることが多かった。
- 反応の速さ:聞かれたことに対して、すぐに返答できない。言いたいことがあっても、スムーズに言葉が出てこない。
- 苦手意識:スピーキングに対するハードルが高く、にこにこしたり表情だけのリアクションで終わることが多かった。
Versantスコア:39(A2+)
初めて受けたVersantのスコアは39(A2+)。これは「簡単な日常会話はできるが、複雑な内容や速い会話には対応しにくい」レベルでした。
スピーキングのスコアは思った以上に低く、やはり「試験のスコア」と「実際の会話力」は別物なのだと痛感。

もっと英語を話せるようになりたい!
という思いがより強くなり、リスニング・スピーキング力をアップさせるため、シャドーイングに1ヶ月間毎日取り組むことにしました!
【学習内容】1ヶ月間とりくんだシャドーイングの方法


使用教材:TED
1ヶ月毎日シャドーイングをすると決めてからすぐに始めたかったので、今回はTEDの動画を教材として活用しました。
TEDの動画はインターネット上に無料で公開されていて誰でも見ることができます。
様々な分野のスピーチ動画があり、自分の興味にあったものが選べることも決めてになりました!
ただ、スピーチによっては話すスピードが速すぎたり、専門用語が多かったりするので、膨大な動画の中から自分にあったものを選ばなければならない点はデメリットだと感じました。
- ネイティブスピーカーによる自然な英語である
- 無料で誰でも見ることができる
- 様々なトピックの中から興味のあるものを選べる
- ほとんどの動画に英語・日本語字幕があり、スクリプトも見ることができる
練習時間:毎日30分
シャドーイングは、音声を聞くことと話すことを同時に行うトレーニング。
負荷が高いので、1日15分〜30分を目安に、長くても1時間を超えない程度に取り組むことが推奨されています。
私は特に、継続することを最優先に考え、「とにかく毎日30分だけは絶対にやる!」と決めて実践しました。
1日のなかで、自分が継続しやすい時間を最初で決めておくと、習慣化しやすく、迷わず取り組めるのでおすすめです!



私は毎朝子どもたちが起きてくる前にシャドーイングをしていたよ!
時間を決めてルーティン化するのが継続のコツ!
シャドーイングのやり方
- 自分にあった動画を選ぶ
- リスニング:スクリプトは見ないで音声のみを数回聞く
- スクリプトを見ながら、スピーチの内容を完全に理解する
- オーバーラッピング:スクリプトを見ながら音声と同時に発声する
- シャドーイング:スクリプトを見ないで、聞こえてきた音声より1、2語遅れて発声する
- 録音して苦手なところをチェック
- 2日目以降は⑤と⑥を繰り返す
シャドーイングは1つの教材を30秒から1分程度のパートに分けて、同じ教材を3〜5日かけて取り組みます。
TEDを使ったシャドーイングの方法について詳しく解説してあるこちらの動画も参考にどうぞ…


最初のシャドーイングの感想
ネイティブスピーカーの自然な英語だったこともあり、シャドーイングを始めた初日は、思っていた以上に難しく感じました!
- スピードについていけない
音声がどんどん流れていくので、途中で置いていかれることが多かったです。特に、音の変化が激しい部分は知っている単語でも別の音に聞こえ、聞き取るのが大変でした。 - つまってる間にどんどん進んでしまう
一つの単語でつまずくと、その間に次のフレーズが進んでしまい、追いつけなくなることがよくありました。「今の単語なんだった?」と考えているうちに、次の文が始まり、途中で止まってしまうことも。
苦手な部分やどうしても聞き取れないところは、④のオーバーラッピングに戻ってスムーズに言えるように練習したり、速度を調節してどんなふうに発音しているのか(音の変化がおきているか)確認しながら取り組みました!
最初の段階ではとても苦戦しましたが、継続することで徐々に慣れていきました。
シャドーイングを1ヶ月継続した結果…




Versantスコア:50(B1)(+11UP!)
シャドーイングを1ヶ月続けた結果、Versantのスコアが 39から50 にアップしました!
特に スピーキング(36 から 52) が大きく伸びました。前回の試験では、無言になってしまう時間が長かったり、なかなか言葉が出てこなくて詰まったりすることが多かったのですが、今回はスムーズに発話できる感覚がありました。
Versantの公式によると、「言葉に詰まることや間が空くこと、口ごもることが増えるとスコアに影響する」とされています。1ヶ月間シャドーイングを続けたことで、瞬時に言葉を口に出す力が鍛えられ、こうした要素が解消されたことがスコアアップにつながったのかもしれません。
リスニングも 42 から 47 にアップしましたが、特に B. 復唱(16問) のパートが影響している気がします。
このパートでは、聞こえた文章をそのまま繰り返すのですが、以前は 「聞き取れた!」 と思っても、次の瞬間には忘れてしまい、途中でつまることが多かったんです。
でも、シャドーイングを続けたことで、聞いた内容を記憶して話すことが以前よりできるようになりました。シャドーイングは 「聞く」と「話す」を同時に行うトレーニング なので、音を処理しながらすぐに再生する力が鍛えられたのだと思います。
まだまだネイティブの速い会話についていくのは難しいですが、確実に成長を実感できた1ヶ月でした。
音声比較(before & after)
今回のシャドーイングでは、TEDを教材として使いました。
ただし、同じスピーチを1ヶ月間繰り返したわけではなく、スピーチを30秒〜1分ごとに区切り、3〜5日ごとに新しいパートに切り替える方法 で練習しました。



短く区切ることで適度な負荷をかけつつ、飽きずに続けられるよ!
実際に使ったスピーチはこちら…
“Try Something New for 30 Days”(マット・カッツの30日間チャレンジ)
スピーカー: Matt Cutts
シャドーイング初日
この音声は、30分間の練習後に録音したもの です。
- 話すスピードについていけず、途中でついていけなくなる
- 知っている単語も音声変化のせいで聞き取れない
- 言葉が詰まり、どんどん置いていかれる
シャドーイング1ヶ月後
最初の5日間はこのスピーチを練習していましたが、それ以降は数日おきにパートやスピーチを変えていました。
そのため、この音源は、久しぶりにこのスピーチを練習なしで、いきなりシャドーイングしたものです。
- スピードについていける部分が増えた
- 詰まることが減り、音がスムーズに出るようになった
- 音声変化にも慣れ、聞き取れる単語が増えた
体感的な変化(主観)
- 以前は単語の断片しか拾えないことが多かったけれど、今はフレーズ単位でまとまりとして聞こえるようになった。
- ネイティブスピーカーとの会話で、「なんとなく」ではなく、しっかり聞き取れることが増えた。
- 以前はネイティブスピーカーが数名集まると、スピードについていけず全く聞き取れなかった。でも今は、少なくとも“言葉として認識”できるようになった!
- 口が回るようになり、とくにシャドーイングで練習したフレーズや簡単な表現はスムーズに言えるようになった。
- 「あー…」と詰まることが減り、自然に返答できる場面が増えた。
- 以前より発音がクリアになった気がする。
【課題】まだ難しいと感じる点
1ヶ月毎日シャドーイングを続けてみて、リスニング・スピーキングの面で大きな変化があったと感じました。
ただ、未だにネイティブスピーカーとの会話が難しいなと感じる点も多いです。
- 瞬時に返答するのはまだ苦手
- 短いフレーズならスムーズに言えるようになったけど、複雑な文はまだ難しい
- ネイティブ同士の自然な会話はまだ速く感じる
- 聞き取れても、知らない単語や表現があって意味がわからないことも多い
- 意味理解のスピードがまだ遅い
まとめ:シャドーイングは効果があるのか?
1ヶ月毎日シャドーイングを続けてみたところ、Versantのスコアは39から50にアップしました!
また、ネイティブスピーカーとの会話の中で、以前よりも聞き取れる量が増えたこと、短めのフレーズは詰まることなくスムーズに口に出せるようになったことは大きな変化だと思います。
ただし、1ヶ月で劇的に英語が話せるようになるわけではなく、上達には継続した取り組みが重要だとあらためて実感しました。
そして、シャドーイングは 「会話の土台作り」 には効果があると実感できたので、今後も継続して取り組んでいくつもりです。
1ヶ月の検証を見て、シャドーイングに挑戦してみたい!と思った方には、シャドテンもおすすめ。
シャドテンなら、初心者から上級者までどのレベルにも対応していて、教材のレベル選定やスクリプトの準備をする手間もなく、集中してシャドーイングに取り組める仕組みになっています。
シャドーイングに関する疑問などもLineで質問することができるので、初めてシャドーイングに挑戦してみたい!という方におすすめです。
スマホ1つで効率的に学習を進めたい方は、シャドテンもチェックしてみてくださいね。
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