「音はわかるけど、意味がスッと入ってこない…」そんな経験はありませんか?
リスニング練習を重ねても内容が掴めないのは、語彙や文法知識だけでなく、聞いた英語の意味を瞬時に処理する力が不足しているからかもしれません。
リスニングは流れる音を後戻りせず理解する必要があり、これは返り読みしないリーディングと同じ構造です。だからこそ、「読む力」の強化がリスニング理解力向上に直結します。
そこでおすすめなのが、楽しく続けやすい「多読」。大量の英語に触れることで語彙や表現が自然に身につき、英語を英語の語順のままスムーズに理解する力(英語脳の基礎)が養われます。多読で培われるこの力が、リスニング時の意味理解を助けてくれるのです。
この記事では、多読がリスニング力向上にどう役立つのか、その効果と具体的な進め方を分かりやすく解説します。
多読とは?
難しい文法や知らない単語にこだわりすぎず、文章全体の内容を大まかに理解することを心がけます。そして、何よりも「読むことそのものを楽しむこと」がポイントです。たくさん読むことと楽しむことが、英語を自然に身につける助けになります。
精読との明確な違い
多読とよく比較されるのが精読です。
多読は「量とスピード」、精読は「質と正確さ」を重視する、目的の異なるアプローチ法です。
多読 (Extensive Reading) | 精読 (Intensive Reading) | |
---|---|---|
目的 | リーディング速度の向上 語彙・文法の感覚的な習得 読書への慣れ 推測力の養成 英語を英語のまま理解する回路(英語脳)の育成 | 文法構造、語彙、表現などの正確な理解 論理的な読解力の養成 |
教材 | 自分のレベルより少し易しい、興味・関心のあるもの | やや難易度の高い、学習価値のある文章(教科書、学術論文、ニュース記事など) |
読み方 | 速く、大量に読む 辞書は原則使わず、分からない部分は飛ばし読みする 立ち止まらない | ゆっくり、注意深く読む 辞書や参考書を積極的に活用し、文構造を分析する |
重視点 | 全体の流れや意味、読書を楽しむこと、読むスピードと量 | 細部の正確な理解、知識の定着 |
多読と精読は、どちらが優れているというものではありません。それぞれの目的に応じて使い分けたり、バランスよく取り入れることで、より効率的に英語力を伸ばすことができます。
多読とリスニングの関係

リスニングとリーディングの特徴
リスニングのプロセスは、「① 音声を知覚する」「② 意味を処理する」の2ステップで成り立っています。 実はこれは、リーディングのプロセスと非常によく似ています。
特に「返り読みをせずに、英文を前から順に理解する読み方」は、音が一方的に流れてくるリスニングの処理と非常に近いのです。
- 音声は耳から入ってきて、流れるままに処理しなければなりません。
- 音声は一度聞いたら戻れないため、リアルタイムで、瞬時に意味を理解する必要があります。
- 文の構造や単語を聞きながら処理していくスピードが非常に重要です。
- 文字を目で追い、基本的に先へ先へ読み進めます。
- 一度読んだ箇所に戻らず、英語を語順のまま理解しようとします。
- 語彙や文法を瞬時に処理しながら意味を掴むため、言語処理のスピードが自然と鍛えられます。
このように、「情報をリアルタイムで、後戻りせずに処理する」という点で、返り読みをしないリーディングとリスニングは、脳にとって非常によく似た作業なのです。
多読がリスニング力アップにつながる5つの理由
① 語彙・表現を認識するスピードが上がる
多読では、同じ単語や表現に何度も出会うことになります。
くり返し読むことで、それらを見た瞬間に意味がわかるようになり、語彙の処理スピードが自然と上がっていきます。
その結果、リスニング中に同じ表現が出てきたときも、すぐに意味と結びつけられるようになります。
② 文脈から推測する力がつく
多読の基本は「辞書を引かずに読むこと」。
わからない単語が出てきても、前後の内容から意味を予想しながら読み進めますよね。
この習慣が、リスニングの場面でも活かされます。たとえ一部が聞き取れなくても、文脈から内容を補って理解する力が身についていきます。
③ よく使われる表現に慣れる
多読を続けると、「よく出てくる言い回し」や「英語の決まり文句」にたくさん触れることになります。
これにより、リスニング中にそういったフレーズが出てきたとき、聞き慣れたものとしてすぐに意味をつかめるようになります。
④ 英語を理解する際の脳の負担が減る(=認知負荷が軽くなる)
英文の構造や語順に慣れてくると、意味を理解するまでの処理が自動化されていきます。
その結果、リスニング中の脳への負担が軽くなり、よりスムーズに内容を理解できるようになります。
⑤ 英語の文の流れや構造がわかるようになる
多読を通して英文の語順や構文に自然と慣れてくると、「次にこう来そうだな」という予測ができるようになります。
この“先読み力”は、リスニング中にもとても役立ち、理解のスピードと精度を高めてくれます。
このように、多読は「単語の認識スピード」「文脈からの推測力」「よく出る表現への慣れ」など、リスニング理解に欠かせない力を総合的に育ててくれます。
英文を“読む力”を育てることは、“聞く力”の土台を強化することにもつながっているのです。

オーディオブックなどを活用して多読を行うと、文字と音のリンクが強化されるから、リスニング力アップがより期待できるよ!
リスニング以外にも…多読がもたらす嬉しいメリット
ここまでで、多読がリスニング力向上にどのように貢献するかを見てきましたが、実は多読にはリスニング以外にも、たくさんの“うれしい効果”があります。
ここでは、リーディング力や語彙力、そして学習のモチベーションアップにもつながる、多読のさらなる魅力をご紹介します。
英語を読む力がぐんと伸びる
多読を続けることで、英語の語順に慣れ、返り読みのクセが減ります。
その結果、英文をスムーズに読み進められるようになり、リーディングスピードが自然に上がっていきます。
さらに、英文の構造やパターンに親しむことで、意味を素早くつかむ「英語脳」も育っていきます。
語彙力・文法力が感覚で身につく
多読では、文脈の中で単語や表現に何度も出会うため、意味や使い方、ニュアンスまで自然と身についていきます。
また、正しい英文を大量に読むことで、文法や語法も「感覚」として体に染み込んでいきます。
これが英会話やライティングの土台作りにも直結していきます。
推測力・読解力が高まる
辞書を引かずに読み進める多読では、わからない単語も文脈から推測する力が自然と鍛えられます。
これにより、文章全体の流れや要点を素早くつかむ読解力が向上し、リーディングだけでなくリスニングや実践的な英語力にも大きく役立ちます。
英語学習が楽しくなり、続けやすくなる
多読は、自分の興味のあるジャンルを自由に選べるのが魅力。
趣味感覚で続けられるため、英語学習を「楽しい!」と感じやすくなり、長期的な継続につながります。
また、読書を通して異文化や新しい知識にも自然と触れられるため、視野が広がり、モチベーションもアップします。
自信と達成感が積み上がる
読んだ語数や冊数が目に見えて増えていくことで、自分の成長を実感できるようになります。
この達成感がさらなるモチベーションとなり、「もっと英語を楽しみたい!」という気持ちを育ててくれます。
多読成功の核心!「多読三原則」と基本ルール


多読三原則は、SSS英語学習法研究会などが提唱している、英語を「知識」ではなく「感覚」で身につけるための基本ルールです。
この三原則を意識することで、大量の英語にストレスなく触れて語順やリズムを自然に体得するため、読むスピードが上がり、英語を英語のまま理解する力がぐんと育ちます。
原則①:辞書は引かない (No Dictionary)
知らない単語が出てきても、まずは気にせず読み進めてみましょう!
話の流れや前後の文脈から、「たぶんこういう意味かな?」と推測できることも多いはずです。
どうしても気になる場合や、その単語が分からないと話が全く追えなくなってしまう場合に限り、読み終わった後で軽く意味を確認する程度にしましょう。
多読は英語を知識として「学ぶ」というより、感覚的に「身につける」ことを目指すため、辞書に頼りすぎないことが大切なのです。
原則②:分からないところは飛ばす (Skip Unknown Words/Passages)
多読の目的は、一語一句を完璧に理解することではありません。
細かいところで立ち止まらず、大まかな流れをつかむことが大切です。
「あれ、ここちょっとわからないな」と思っても、気にせずどんどん読み進めましょう!
後で読み返したときに、自然と理解できることもよくあります。
原則③:自分に合わない本はやめる (Quit Books That Are Boring or Too Difficult)
英語学習を続けるコツは「楽しい」と感じることです。
興味がわかない本や、難しすぎてストレスを感じる本は無理に読む必要はありません。
「なんだかつまらないな」「読みにくいな」と思ったら、ためらわず次の本へ。
読書は義務ではなく、自分がワクワクできる本を見つけることが一番大切です!
《その他の基本ルール》



三原則に加えて、以下の点も意識するとより効果的!
- 基本は黙読で…多読では読むスピードも大切なので、声に出さず目で追っていく「黙読」を基本にしましょう。リズムよく読み進めることを意識してみてください。
- スピードを意識する…じっくり考え込むのではなく、ある程度のスピード感を持って、テンポよく読み進めることを心がけると、英語の処理能力向上につながります。
- 何より楽しむこと!…これが一番大切かもしれません。多読は「勉強」というより、「英語というツールを使って楽しむ」活動です。自分の好きなジャンルの本を選んで、ワクワクしながらページをめくりましょう!
知っておきたい!多読を成功させるための注意点とコツ
多読にはリーディング・リスニングへの多くのメリットがありますが、始める前に知っておきたい“落とし穴”も存在します。
「思っていたのと違った…」とならないように、よくある注意点と継続のコツをあらかじめ確認しておきましょう!
多読を始める前に知っておきたい注意点
効果の実感には時間がかかる
多読の効果は、スポーツの基礎練習のように“じわじわ”と現れてきます。
単語テストのようにすぐに数値に出るものではないため、「本当に意味があるの?」と不安になることもあるかもしれません。



読んだ語数を記録すると、自分の頑張りが“見える化”できるよ
発音や音声変化は学べない
多読は文字情報に特化した学習法なので、英語の発音やリエゾン(音のつながり)など、“音”に関するスキルは身につきません。
リスニング力やスピーキング力を強化したい場合は、シャドーイングや音読と組み合わせるのが効果的です
音声スキルを伸ばしたい方は、シャドーイングにもぜひ挑戦してみてください。
シャドーイングの具体的な方法やコツについては、こちらの記事で詳しく解説しています!


アウトプット力には直接つながらない
たくさん読んでも、それだけで英語が話せる・書けるようになるわけではありません。多読はあくまでインプットの手段です。
とはいえ、多読で得た語彙や表現は、スピーキングやライティングの質を高める大きな武器になります。
教材選びを間違えると逆効果
難しすぎる本を選ぶと、理解できずに苦痛になり、挫折の原因になってしまいます。逆に簡単すぎても飽きてしまう可能性があります。
「ちょっと簡単かも?」くらいのやさしめレベルから始めましょう!
読んだつもりになってしまうことも
「とにかくたくさん読もう」と思うあまり、内容が頭に入らない“読み飛ばし”状態になることもあります。
リズムを意識しつつ、内容をざっくりでも追える集中力を保つことが大切です。
継続にはある程度の工夫と意志が必要
多読は基本的に“楽しい”学習法ですが、習慣化するには時間の確保や、ちょっとした仕組みづくりも欠かせません。毎日のルーティンに組み込む、記録アプリを使う、目標冊数を決めるなどが有効です。
モチベーション維持の工夫
記録をつける
読んだ本のリストや総語数を記録して、「積み上げ」を目に見える形にしましょう。
日々の達成感がモチベーションになります!
仲間を見つける
SNSやオンラインコミュニティで、多読仲間を見つけて励まし合いましょう。
孤独感がなくなり、継続しやすくなります。
短期目標を立てる
「今週中に1冊読む」など、クリアできる小さな目標を立てて、達成する楽しみを味わいましょう。
ご褒美を設定する
目標を達成したら、自分にちょっとしたご褒美を!
小さな楽しみを用意しておくと、やる気がぐんとアップします。
成長を意識する
読むスピードが上がった、意味を推測できる単語が増えた――。
そんな小さな成長に気づくことも、継続の大きな力になります!
何を読めばいい?多読を成功させる教材の選び方
「多読を始めたい!」と思っても、次に迷うのが「何を読めばいいの?」ということ。
本は山ほどあるけれど、多読を楽しく、そして長く続けるためには選び方にコツがあります。
ここでは、あなたにぴったりの教材を見つけるための3つのポイントをご紹介します。
①読むレベルは「かんたんすぎる」でちょうどいい!
多読は「たくさん読むこと」が最大の目的。だから、スラスラ読めてストレスがないことが最も大切です。
辞書を使わなくても内容がわかるレベルが理想。知らない単語が1ページに数個あるくらい(=約9割以上理解できる)を目安にしましょう。
「こんなに簡単でいいの?」と思うくらいが、多読の世界では“ちょうどいい”スタートラインです。
②「好き!」がモチベーションを支える
多読を続けるうえで、興味・関心のある内容を読むことは欠かせません。どんなにレベルが合っていても、内容が退屈だと続きません。
ミステリー、恋愛、ファンタジー、SF、ノンフィクション、趣味関連、映画の原作…自分の「読みたい!」を大切にしましょう。最初はジャンルを決めすぎず、いろいろ読んでみるのも楽しいですよ。
③まずは「絵本」から始めてみる
多読のスタートには、どんなレベルの方にも「絵本」をおすすめします。
「子ども向け?」と思うかもしれませんが、実は英語学習にこそぴったりなんです!
絵本が多読にぴったりな理由
- やさしい語彙・シンプルな文構造でストレスなく読める
→ 辞書なしでスラスラ読めるから、多読の本質「大量インプット」が自然にできる! - 絵がヒントになるから、意味を推測しやすい
→ 英語を日本語に訳さず、イメージで理解する力=「英語脳」が育つ! - ネイティブの日常語や自然な表現に出会える
→ 教科書にないリアルな英語が学べて、語彙の幅が広がる! - 文化や習慣も自然に学べる
→ イベントや家庭の様子など、英語圏の生活が絵とともに伝わってくる! - 短くて達成感があるから続けやすい
→ 読み切れる喜びが「英語って楽しい!」につながる◎
さらに、音声付きの絵本ならリスニングや音読、シャドーイング教材としても活用できるので、リーディング+リスニングの力を一緒に鍛えられます。
絵本って、「やさしい英語だけが出てくる」と思いがちですが、実は英検1級レベルの単語や表現が普通に登場することも少なくありません。
私自身も、大好きなORT(Oxford Reading Tree)のKipperシリーズを読んでいてよく英検1級の英単語に遭遇しました。
英語が得意な人でも、意外と抜けている生活密着の語彙や、ネイティブの子どもが自然に使う表現がたくさん入っているのが絵本の魅力。
だからこそ、絵本は中級〜上級者も「英語の基礎を整える」ための教材としてもすごく優秀です。
教材の種類と選び方ガイド(絵本スタート → ステップアップ)
教材タイプ | 特徴とおすすめポイント |
---|---|
絵本(Picture Books) | 初心者〜上級者まで◎。短くてやさしい表現+絵で理解を助けてくれる。まずはここから! |
Graded Readers(GR) | 語彙・文法レベルが調整された学習者向け読み物。巻末に語彙リスト付きも。多読の王道。 |
漫画・コミック(英語版) | 絵とセリフで内容が把握しやすい。楽しく、負担少なく読める。日本の作品も豊富。 |
児童書・チャプターブック | 絵本より文章が多く、物語性のある本。GRに慣れてきたら挑戦。読み応え◎ |
ニュース記事・ブログ・ノンフィクション | 読むテーマが定まってきたら、実用的な文章にもチャレンジ。語彙の幅も広がる。 |
教材選びの目安に使える指標
YL(読みやすさレベル)
YL(Yomiyasusa Level)は、SSS(Start with Simple Stories)英語学習法研究会が独自に定めた、の英語学習者向けに作られた「読みやすさ」を示す指標です。
0.0(超やさしい)〜9.0(かなり難しい)まで細かく分かれていて、本の難易度をひと目で把握できます。
たとえば:
- YL0.0〜0.9:ほぼ絵本レベル。英語が苦手な人でもスラスラ読める
- YL1.0〜2.0:簡単なストーリーつきのリーダー教材
- YL4.0〜:中級者以上向けの読み応えある内容
「辞書なしで読める」レベルを選ぶのが多読のコツ。
YLを目安にすれば、自分にぴったりの本を見つけやすくなります!
Graded Readers(段階別読み物)
Graded Readersとは、英語学習者向けにレベル別で作られた読み物シリーズのこと。
Oxford、Penguin、Cambridgeなどの出版社が出していて、語彙や文法の難しさが段階的に調整されています。
特徴は:
- やさしい単語・文法で書かれているから初心者でも安心
- ジャンルが豊富(ミステリー、恋愛、伝記、ノンフィクションなど)
- 物語を楽しみながら英語力がつく
代表的なシリーズには:
- Oxford Bookworms Library
- Penguin Readers
- Cambridge English Readers
Graded Readersもレベルにあった本が選びやすいので、おすすめです!



多読を成功させるコツは、「かんたん」「楽しい」「手に入りやすい」教材を選ぶこと!
どのくらい読めば効果がある?
「多読って本当に効果があるの?」「どれくらい読めば英語力が伸びるの?」
多読を始めたばかりの方なら、一度は気になる疑問ではないでしょうか。
もちろん、少し読んだだけでも効果が“ゼロ”ということはありません。でも、多読の本質である「英語を英語のまま理解する力」をしっかり育てていくには、ある程度の“量”が必要だと言われています。
そこで、多読の世界でよく耳にするのが「100万語」というキーワードです。
なぜ「100万語」が目安になるの?
この数字は、ネイティブの子どもが1年間で読むと言われる語数に近く、
大量のインプットによって英語のリズムや語順、自然な使い方が身体にしみこんでくる「一つの目安」として広く使われています。
多読による変化の目安
累計語数 | 英語力の変化 |
---|---|
1〜10万語 | 英語に慣れてくる。読むことへの抵抗感が減る |
30万語前後 | 語順・表現に慣れ、英文を前から理解できる |
50万語以上 | 文のリズムや構造が自然にわかるようになる |
100万語〜 | 英語を瞬時に理解できるようになり、リスニングにも効果が出る |
こうしてみると、「読む量が増えるほど、理解の質も上がっていく」というイメージがわきやすいかと思います。
100万語はゴールではなく、むしろ「英語が自然に使えるようになるためのスタートライン」とも言えるかもしれません。
100万語って、どのくらいの時間で達成できるの?
「100万語」と聞くと途方もないように思えますが、ペースを決めて少しずつ進めていけば、決して不可能な量ではありません。
時間の目安(1分あたり100語で読む場合)
- 1日30分の多読 → 約3,000語
→ 100万語 ÷ 3,000語 = 約333日(約11ヶ月) - 1日1時間の多読 → 約6,000語
→ 100万語 ÷ 6,000語 = 約167日(約5〜6ヶ月)
もちろん読むスピードや本のレベルによっても変わりますが、こうした数字を見ると、意外と現実的な目標だと思えてきませんか?
「読む量」と「楽しさ」のバランスがカギ
大切なのは、数字にとらわれすぎず、自分が「楽しい」と思える本を選び、無理のないペースで続けることです。
気づいたら英語の語順に慣れていて、知らない単語も前より文脈で予想できるようになっていた——
そんな小さな変化を感じるたびに、「あ、成長してる」と実感できるはずです。
実践!多読を成功させる具体的なステップ
始める前に再確認!多読の基本原則(SSS式)
- 辞書は(基本的に)引かない! → 引かなくてもわかる、やさしいレベルを選ぶのが大前提。
- わからないところは飛ばす! → 細かい部分にこだわらず、全体の流れを楽しむ。
- つまらなくなったら、その本はやめる! → 義務感ではなく、「楽しい」が最優先。次の本へ進みましょう!
この3つの原則を守りながら、以下のステップで進めていきましょう。
「毎日15分読む」「週に1冊読む」「まずは1万語読む」など、具体的で達成可能な目標を設定します。
「楽しむこと」を忘れずに!
「多読三原則」と「興味」を基準に、自分のレベルに合った「楽に読める」本を選びます。
最初はYL 0〜1レベルや、ごく簡単な絵本などから始めましょう。
複数冊候補を用意しておくと良いでしょう。
多読三原則(辞書なし、飛ばし読み、合わない本はやめる)と基本ルール(黙読、スピード意識、楽しむ)を守って読み進めます。完璧主義にならず、リラックスして読みましょう。
読んだ本のタイトル、YL、語数、日付、簡単な感想などを記録します。自分の進捗を可視化することで、モチベーション維持につながります。総語数をカウントしていくのが特におすすめです。
同じレベルの本をある程度読みこなし、楽に読めるようになったと感じたら、少しだけレベルを上げてみましょう。焦らず、自分のペースで進めることが大切です。
ロードマップのまとめ(目安)
レベル (YL目安) | 1冊の語数(約) | 推奨冊数(目安) | 累計語数(目安) |
レベル0 (0.0〜0.9) | 1,000語 | 10~30冊 | ~3万語 |
レベル1 (1.0〜1.9) | 3,000語 | 20~30冊 | ~10万語 |
レベル2 (2.0〜2.9) | 7,000語 | 30~50冊 | ~30/40万語 |
レベル3 (3.0〜3.9) | 10,000語 | 30~50冊 | ~70/80万語 |
レベル4+ (4.0~) | 20,000語~ | 10~20冊 | ~100万語 |
※この表は、『SSS英語多読研究会の公式サイト』や実際の多読実践者の記録を参考に作成しています。レベルごとの冊数や語数は、公式ガイドや「100万語達成者の声」などに基づく目安です。
自分のペースで楽しむことが成功の鍵!
最も大切なのは、周りと比べず、あなた自身のペースで「楽しい」と感じる読書を続けること。
時にはレベルを下げたり、同じ本を読み返したりするのもOK。焦らず、楽しみながら、着実に読み進めていきましょう。気づけばきっと、目標の100万語に到達し、英語を読むことがもっと好きになっているはずです!
まとめ:多読成功への最終チェックポイント
最後に、あなたが英語多読を成功させるための重要なポイントをまとめます。
- 「楽しむ」ことを最優先に!: 苦しい学習は続きません。興味のある本を、リラックスして楽しみましょう。
- 「多読三原則」を常に意識する: 辞書なし、飛ばし読み、合わない本はやめる。
- 「簡単すぎるかな?」くらいのレベルから始める: 背伸びせず、着実にステップアップしましょう。
- 「継続」こそが最大の力: 毎日少しずつでも良いので、英語に触れる習慣を作りましょう。記録や仲間が継続を助けます。
- 成果を焦らない: 多読の効果はすぐには現れません。数ヶ月、半年、一年と、気長に取り組む姿勢が大切です。
- 100万語は通過点: 目標として励みになりますが、達成後も多読を続け、さらに英語力を伸ばしましょう。
- 必要に応じて精読も取り入れる: 多読と精読をバランス良く組み合わせることで、より盤石な英語力が身につきます。
多読は、正しく実践すれば、必ずあなたの英語力を大きく伸ばしてくれます。
この記事を参考に、まずは最初の一冊を手に取ってみてください。読むことが楽しくなれば、あなたの英語学習はきっと成功します!応援しています!
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